雨雪とてきて・・妹トシとの永訣

実は19号台風が接近してきた夜、我が家は海抜プラス1500mmまでは大丈夫ダべ・・。とタカをくくって鈴木亨平さんが宮沢賢治を演じたTVドラマシリーズを一挙に見てしかもその間ず~っと飲酒したため最後は泥酔し19号の爆風爆雨を一切素通りして朝を迎えてしまいました。で、翌朝、ワンコとトイレ散歩に出てあららら・と冷や汗を流した次第です。市民の安全のため夜通しで活躍された皆様に感謝申し上げます。
さて、書いてしまいたいのは宮沢賢治の方です。賢治の春と修羅などの本類は震災で失い、かつ再読しようとするエネルギーも発生していないので手元にありません。が、このTVドラマを見て感動し、かつ思い出した事があります。
最愛の妹トシが最後を迎える永訣のシーン、私の頭の中では45年間ぐらい・白黒写真映像のどんよりとした薄暗い部屋の畳の上で、幸薄い少女が息を引き取るようなイメージでした。が、ウッチャンのLIFEでご活躍の瞳の黒い女優さん演じるトシは勉学優秀で恋もし、教員としての活躍も期待されたチャーミングな女性でした。トシの人生がカラー映像に変わりました。
実は、この連休は奥さんが娘の所に冬タイヤを届けに行くというので、僕も行きたいと言ったら「お前はマロンと留守番だ」と言われたので「だったら種山高原で車中泊して零れ落ちそうな星空を見に行くべ・・」と密かに計画していたのでした。「海だべが・・と思ったら・・」という賢治の文、そのままを実体験できて、これまでの人生で一番美しい・降り落ちくるんできそうな星空を見た事のある種山高原にもう一度行ってみたい・。とモクロンデいたのでありました。そういえばその夜、その降り注ぐような星空の下で、動物達が懐かしがって集まって来ないかな・・とムックリをビヨンビヨンと鳴らしたけれど集まってきたのは蚊だけだった事も思い出しました。
そして、私が最後まで見なければ・・とがんばった理由ですが、トシさんが「雨雪とってきて・・」と息もたえだえに賢治兄さんに懇願したその瞬間を「あまゆぎとってきてけんじゃ」と賢治は残しているのだが、その部分を「冷たいみぞれ雪を取ってきてほしい(ください)・・」と訳しているのが、業界のスタンダードでしたが、ある時私は「あまゆぎ・取ってきて・賢治兄ちゃん」と言っているのだと気付き確信するようになりました。で、このドラマで最後にどういう表現に立つか興味を持って見ていったら「ください」派でした・・。
「あまゆぎ・取って来て・賢治兄さん」派はまだ少ないが正解ではなかろうか・・。