そもそも、雀達と関わることになった理由・・

2011年・震災の年の暮、部活休みで寮から帰っていた娘が夜、コンビニから戻るなり「階段に首の無い鳥がいる・・」と飛び込んできました。見に行くと、階段の中ほどに頭を自分の羽根の中にしまいこんだ雀がじっとうずくまっていました。(ま~首の無い鳥という表現もありかな・・)にしても何事?としばらく見ていたら時々動きます。怪我をしている風でも無く、ふ~っと息を吹きかけてみると「やめて・・」と、さも迷惑そうに身じろぎしました。しばらく階段に腰をかけて、ほう杖をしながら観察して、もう一度息を吹きかけてみると今度は「されかまないで!」と怒ったように感じました。(されかまないで!!については後日・・)野良猫は絶滅して付近にいないのでそっとしておく事にしました。翌朝も同じで、逃げようともしないのでそのまま仕事に出掛けましたが、ホームセンターに寄った折「お腹空いてるかも・・」とカナリアの餌を買いました。夕方戻るとやはりそのままじっとしていました。ペットボトルのキャップに水を入れ、買ってきたカナリアの餌を小皿に入れてそばに置いて置きましたら、翌朝はいませんでした。なんか悩みでもあったのかな?仲間はずれにされた?いじめとか?失恋したとか?


とにかく、手元に残ってしまったカナリヤの餌を雀達が時々休憩している腰高ぐらいのブロック塀の上に蒔く事が日課になりました。一袋蒔き終わる頃には雀達は私の姿を見つけるとブロック塀の上で待機するようになり、それからリクエストにお答えしてズルズルと9年経っているのでした。初め8~11羽の集団でしたが9年経つと40羽程に増えました。2~3羽は夜明けと共に私の枕元のサッシ越しに「爺・・爺・・」コンコン・・とクチバシを足元の手すりに打ち付けてモーニングコールするようになりました。が、必要以上に人間に慣れるのは危険だと考え、事務所に一人でいる時に様子を見るように入って来ても相手にせず、手から餌を食べるような餌付けもしていません。最初の頃、周辺はがれきに埋もれ、徐々に荒野の一軒家・・という風情でしたので「餌置いたよ~」と口笛を吹いたりして集まってくるのを面白がったりしましたが、水産会社の中国人研修生が遠くから口喧嘩しているような大きな声で喋りながら近づいて来ると私の姿を見ると「ラオ・・・・ラオ・・・・」と小声で通り過ぎるようになり、多分「すずめじじいだすずめじじい・・」とか言われているんだろうと思い口笛はやめました。近くに復興住宅団地が立つと今度は餌場で私が「君達・・△△の恩返し・・とかって知ってる?いつか何かお返しみたいなのがあると思ってんだけど・・大丈夫??」とかぶつぶつ言っている所を背中の角からスマホで撮られていたりして・迷惑じじいとかタイトルされてユーチューブに載ってるかもしれないとマタマタ冷や汗が出る思いをしたので今は話しかけません。


長文になってしまいました。
以来、枕元に来て「じい・・じい・・」コンコン・・としていた雀はいなくなりました。「雀ロス??」ではマロン君を失った時がきたらどんだけ???


井上陽水に人生が二度あれば・・と歌われた年に近づいているが、私の心は弱いままだ・。